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長期金利の上昇で住宅市況はどうなるか
カテゴリ:業界NEWS  / 投稿日付:2026/08/28 08:49

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長期金利の上昇で住宅市況はどうなるか

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昨今、長期金利の上昇に勢いがつき始めています。指標となる10年国債利回りは、今年5月20日に2.8%をつけ、実に1997年以来の水準となっています。金利の上昇が住宅市況に与える影響について考えてみましょう。

 

10年国債の利回りは1997年以来の高水準に

 

 このところ長期金利の上昇に勢いがつき始めています。日本経済新聞によると、指標となる10年国債利回りは、今年5月20日に2.8%をつけました。振り返ると、実に1997年以来の水準です(図表1)。

 

図表1


 

 

 また、それにともなってより期間の長い金利も上昇しており、30年国債利回りが4.150%、40年国債利回りが4.355%(いずれも日本相互証券公表値、5月19日時点)に達しました。

 長期金利の上昇は、収益不動産価格に下落圧力を強める方向で働きます。不動産投資の利回りと長期金利が僅差になれば、リスクを取って不動産投資をしようと考える投資家が減ります。

 それに加えて金利上昇で深刻なのは、実需に及ぼす影響です。この20余年の間、住宅販売会社の営業担当者は、「今はゼロに近い金利でお金が借りられるのですから、買わなければ損ですよ」と言って家を売ってきました。しかし、ここまで金利が上がってきたことで、風景がガラリと変わってしまったのです。具体的には、この金利上昇が住宅ローンの金利を上昇させることによって、住宅価格に影響を及ぼすと見ています。

 まずは変動金利型の住宅ローンです。現在、住宅ローンを借り入れている人の約8割が、変動金利型といわれています。同一時点で金利を比べると、固定金利に比べて変動金利のほうが低かったからです。条件次第で多少の金利差は生じますが、たとえば大手メガ銀行の場合、10年固定金利型が3.27%であるのに対して、変動金利型は0.995%と、かなり低い水準に抑えられています。

 しかし、変動金利型の適用金利は、日銀が誘導している政策金利に連動しますから、6月16日に日銀は政策金利を1.0%に引き上げましたので、これまで低い水準に抑えられてきた変動金利型の住宅ローンの適用利率が上昇することになります。

 現在、想定されるターミナルレート、つまり現在の金融引締局面において、日銀が最終的な到達点と考えている政策金利が1.5%ですから、変動金利型は今後、着実に上昇圧力が強まるはずです。

 

総返済額が増えて実需が減退する

 

 変動金利型の住宅ローンの金利が上昇する場合、新規借入分とすでに借り入れている分の双方に、その影響が及んできます。

 第一に、新規借入分については、適用利率が上昇することによって借入額が抑制されます。

 多くの人は借入額を決める際、自身の年収と月々の返済額で判断します。年収が変わらず、借入金利が上昇すれば、それだけ月々の返済が増えて可処分所得が少なくなるので、借入額を抑えざるを得ません。

 第二に、すでに借り入れている分の適用利率見直しによる影響です。

 変動金利型の住宅ローンの場合、借入期間中に政策金利が上昇すると、適用利率は通常半年ごとに見直されます。激変緩和措置として5年ルール(返済額は5年ごとに見直し)や125%ルール(6年目に返済額が増えるとしても最大で前回返済額の125%まで)は設けられていますが、だからといって最終的な返済額が抑制されるわけではありません。あくまでも、毎月の返済額の上昇を一時的に抑える仕組みであり、金利が上がれば、返済額に占める金利分は増えて、総返済額は増えることになります。

 それに前回の返済額の125%を上限にするといっても1.25倍ですから、ギリギリのところで毎月の返済額を設定している人たちにとっては、その結果、返済が相当苦しくなるでしょう。

 この2つの観点から、金利上昇で実需が減ったり、売り物件が増えたりすることも考えられます。

 

固定金利型の選択も悩みどころが多い

 

 一方、ここまで金利が上昇傾向となると、変動金利型でローンを組んでいる人が、固定金利型に借り換えたり、あるいは最初から固定金利型を選んだりするケースが増えてくるかもしれません。

 ただ、ここで問題になるのが長期金利に連動する固定金利型の適用利率もかなり上昇していることです。

 

図表2 


 

 固定金利型の代表格である「フラット35」の適用利率を最頻値(融資率9割以下、機構団信付き)で見ると、返済期間15~20年で2.89%ですが、21~35年は3.21%です(図表2)(26年6月時点)。

 民間金融機関の固定金利型住宅ローンはどうかというと、大手銀行5行は6月に固定金利型の適用利率を一斉に引き上げ、代表的な10年固定型の最優遇金利を見ると、三菱UFJ銀行が3.27%、三井住友銀行が3.50%、みずほ銀行が3.25%となっています。なお最優遇金利とは、信用度の高い顧客向けの適用利率であり、基準金利の平均は5.83%にも達しています。

 前述したように、変動金利型の適用利率は現状、1%前後ですから、変動金利型から固定金利型に借換えをすると、最優遇金利が適用されたとしても、金利負担は一気に2%程度も上昇してしまいます。これだけの金利差による返済負担の重さを許容できる人はそう多くないと思います。また、新規で借り入れるに際しても、固定金利型を選ぶのが正しいのかどうかで悩む人は増えてくるでしょうし、住宅の購買意欲にも、ネガティブな影響を及ぼす恐れがあります。当面、住宅需要においては金利が重石になりそうです。

 

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本日は以上となります。

 

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